Multiff Ver.0.68
説明
マルチページtifはTIFF6.0形式で規定されているFAXやスキャナー画像など複数ページからなるイメージファイルを扱えるファイル形式です。
WindowsXP以降のWindowsに標準でバンドルされる「画像とFAXビューア」でもこのファイル形式を閲覧できますがページ単位の編集機能はあ
りません。Microsoft Officeにバンドルされている「Microsoft Office Document
Imaging」は、ページ単位の編集機能も備えていますが、Officeを購入する必要がありますし、1ファイルの編集をターゲットとしているため、複
数ファイルの処理には向きません。
Multiffはマルチページtifファイルの分割、結合、印刷、PDF/JPG/DCX/AVI/ICO形式への変換、ページの並べ替え、抽
出、削除、挿入、移動、白紙ページの削除など多彩なページ編集機能を持ったツールです。また起動から終了までDmonkey
scriptをマクロ言語とした大量ファイルの一括処理ができます。
動作環境・インストール
動作環境
Windows 2000 SP4/XP SP3で動作確認済み。
機能制限
- 
同時に扱えるファイル数・ファイルサイズ・速度
- 一定の制限はありませんが、お使いのPCの搭載メモリやCPUの処理速度に依存します。未確認ですが1000個単位のファイル結合などは避けたほうが安全です。
 
 
- 
JPEG Original TIFF6.0 Spec圧縮形式のファイル
- 本ソフトウェアで扱えるTIFファイルの圧縮形式は、CCITT 1D, Group 3/4 fax, LZW, ZIP, Packbitsです。
 
 
- 
印刷
- スペックの低いプリンターでは印刷にとても時間がかかります。
 
 
インストール
使用方法
使用の流れ
- Multiff.exeをダブルクリックをする。
 
- 加工したいtifファイルをメニューの[ファイル]->[ファイルを開く]で選択する。
 
- ページメニューから削除、抽出などの編集処理する。
 
- アプリケーションのフォルダーにtempimage.tifが作成されます。
 
- 加工されたファイルを[ファイル]メニューから[名前をつけて保存]を選びファイルを保存する。
 
表示
- [表示]メニューからツールバー、ログの表示・非表示を切り替えする。
 
- 画像の上で、マウスの左ボタンで拡大、右ボタンで縮小される。
 
- 右90度回転、左90度回転、180度回転ボタンでそれぞれ回転表示される。
 
ファイル操作
ファイルを開く
- tifファイルを[ファイル]メニューから[ファイルを開く]で選択する(またはエクスプローラーからdrag&drop)。
 
ファイルを保存
- tifファイルの編集が終了した後、[ファイル]メニューから[上書き保存]メニューを選択し、保存する。
 
- 保存せずにアプリケーションを閉じると、編集結果は失われる。
 
ファイルに名前をつけて保存
- 
tifファイルの編集が終了した後、[ファイル]メニューから[名前をつけて保存]を選択する。
 
- 
サブメニュ―から、TIF, GIF, AVI, ICO, DCXのいずれかのファイル形式を指定して保存。
- TIF:オプションのTIF圧縮形式の指定によりCCITT 1D, Group 3/4 fax, LZW, ZIP, Packbitsで保存されます。
 
- GIF:ウエイト0秒、エンドレスループのAnimation GIFファイルを作成します。
 
- AVI:標準で無圧縮のAVIファイルを作成します。
 
- ICO:複数イメージを含むアイコンファイルを作成します。
 
- DCX:3D multiple PCX形式のファイルを作成します。
 
 
インポート
- ファイル→インポートから画像ファイルを選択します(複数ファイル選択可。一般的な画像フォーマットはほぼカバー)。
 
スキャナーから取得
- TWAIN対応のスキャナーが接続されていれば、画像を取得します。
 
PDF変換(PDF Ver1.4形式)
- [ファイル]から[PDF変換]を選択する。
 
- 保存ファイル名を入力しOKを押す
 
ファイル分割
- 加工したいtifファイルをメニューの[ファイル]->[ファイルを開く]で選択する。
 
- [ファイル]メニューから[ファイル分割]で[tif形式]または[jpeg形式]を選択する。
 
- 全ページを1ページずつのファイルにし、保存する。
 
ファイル結合
- [ファイル]メニューから[ファイル結合]を選択する。
 
- ファイルリストの指定画面が出たらファイルリスト操作でファイルリストを作成する。
 
- リストの順にファイルが結合された1つのマルチページtifファイルとして保存される。
 
ファイル2分割
- [ファイル]メニューからファイルを開く
 
- 分割したい位置の後ろのページを選択する。
 
- [ページ]メニューから2分割を選ぶ
 
- 元ファイル名+_1、元ファイル名+_2で分割ファイルが作成される
 
ファイル印刷
- [ファイル]メニューから[印刷]を選択する。
 
- 印刷範囲、レイアウトを指定して、プリンターマークのボタンを押す。
 
ページ操作
ページ並べ替え
- 
[ページ]メニューメニューから[ページ並べ替え]を選択する。
 
- 
サブメニューから[逆順]か[奇数ページと偶数ページ]を選択する。
- 逆順:全ページの最初のページから最後のページまでを逆順にする。
 
- 奇数ページと偶数ページ:1ページ目と2ページ目のように連続する2ページを最終ページまで逆順にする。
 
 
ページ抽出
- [ページ]メニューから[ページ抽出]を選択する。
 
- 開始ページと終了ページを指定する。
 
- OKボタンを押す。
 
ページ削除
- [ページ]メニューから[ページ削除]を選択する。
 
- 開始ページと終了ページを指定する。
 
- OKボタンを押す。
★サムネール上で頁を指定し、マウスの右ボタンを押しても、削除できます(名前をつけて保存または上書き保存が必要です)。
)。
 
ページ挿入
- [ページ]メニューから[ページ挿入]を選択する。
 
- ページ挿入ダイアログから挿入するtifファイルを選択する。
 
- ファイルの挿入ページとページの前後を指定する。
 
- OKボタンを押す。
 
ページ移動
- サムネール上でドラッグアンドドロップすると移動できます。
 
- 名前をつけて保存または、上書き保存を選択します。
 
白紙頁を削除
- [ページ]メニューから[白紙ページを削除]を選択する。
 
- 名前をつけて保存または、上書き保存を選択します。
 
ファイルリスト操作(ファイル結合時のみ利用可能)
ファイルリストへの1ファイル追加
- [ファイル]メニューから[ファイルから追加]を選ぶ。
 
- 結合したいファイルを指定するとファイルがリストに追加される。
 
特定フォルダー内の複数ファイルを追加
- [ファイル]メニューから[フォルダから追加]を選ぶ。
 
- 結合したいファイルを含むフォルダを指定すると、フォルダ内の全TIFファイルがリストに追加される。
 
- リストの上で追加したいファイルをドラッグ&ドロップしてもファイルを追加できる。
 
ファイルリストからの削除
- 1ファイルだけリストから削除する場合、[リスト]から[リスト削除]を選ぶか、リスト上でマウスの右ボタンをクリックし削除を選択する。
 
- リスト内の全ファイルをリストから削除する場合、[リスト]から[リスト全削除]を選ぶ。
 
ファイルリスト内の順序変更
リスト上でマウスの右ボタンをクリックするか、ツールボタンから、[ファイルリストの上へ]または[ファイルリストの下へ]を選択する。
オプション
「基本動作」タブ
- 出力先フォルダ:「元ファイルと同じフォルダ」または「指定フォルダ」を選ぶ。
 
- 元ファイル名にタイムスタンプを追加して保存:元ファイル名に030105のように年度の下2桁+日付の形でタイムスタンプを追加する。
 
- 分割ファイルは元ファイル名でフォルダを作成:ファイル分割した場合に元ファイル名で新規フォルダを作成し、その直下に分割されたファイルを保存する。
 
- 履歴に保存するファイル数:[ファイル履歴から追加]、[フォルダー履歴から追加]メニューで表示するファイル名の数を指定する。
 
- TIF圧縮形式:名前をつけてTIFFファイルを保存した時の圧縮形式を指定する。
 
「表示」タブ
- サムネールの横幅をピクセル単位で指定する。
 
- 起動時に最大化:メイン画面を起動時に最大化
 
- スプラッシュウィンドウを表示:時間のかかる作業をする際に状況ウィンドウ表示
 
マクロ
仕様
本ソフトはDMonkey Scriptでマクロを記述できます。DMonkey は Delphi
で作られたアプリケーションへの組込みを目的としたインタプリタ・スクリプトエンジンです。言語仕様は ECMAScript(JavaScript)
のサブセットになっています。DMonkeyの詳細については下記URLを参照のこと。
- http://sourceforge.jp/projects/dmonkey/
 
- http://hp.vector.co.jp/authors/VA024591/
 
- http://www.geocities.jp/shobohn/
Multiffでは、DMonkeyの拡張組み込みオブジェクト機能により下記のMultiff操作のためのオブジェクトと関数を実装しています。
 
マクロの作成
- [マクロ]メニューから、[新規]を選ぶと、マクロの作成ウィンドウが出るので入力する。またはテキストエディタなどで、スクリプトを作成し、MultiffのあるフォルダのMacroフォルダー下に*.dmsの名前で保存する。
 
マクロ実行・中止
- 実行:[マクロ]メニューから、[実行]を選ぶと、マクロの選択ダイアログが出るので、そこから実行したいマクロを選択する。
 
- 中止:[マクロ]メニューから、[中止]を選ぶと、マクロを中止します。
 
- 編集:[マクロ]メニューから、既存のマクロを選択して、編集を押すとそのマクロの編集、新規ファイル名を入力して編集を押すと新規マクロ編集をできます。
 
- 自動実行:アプリケーションをマクロファイル名を引数として起動すると、マクロが自動実行されます。(例)multiff test.dms
 
Multiffオブジェクト
Multiff本体のオブジェクトはMtappで、下記のように生成してから使用する:
mt = new Mtapp;
Multiff操作関数
- 
open(filename: string) 編集対象ファイルを開く
- 引数: filename=編集するファイル名
 
- 返り値: なし
 
- 使用例:
 
mt.open("c:\\buffer.tif");
 
- 
close() 直前に開いたファイルを閉じる
mt.close();
 
- 
save(filename: string; conf: boolean) ファイルを保存する
- 引数: filename=保存するファイル名、conf=上書き保存の確認をする
 
- 返り値: なし
 
- 使用例:
 
mt.save("c:\\buffer6_9.tif", false);
 
- 
divideall(outtype: byte; basename: string; folder:boolean) ファイルの全ページを分割してファイル出力する
- 引数: basename=基本となる出力ファイル名(これに数字が連番で着く)、folder=フォルダー作成する
 
- 返り値: なし
 
- 使用例:
 
mt.divideall(20,"c:\\buff", true);
 
- 
insertpages(insname: string; page, startp, endp: integer) ファイルを挿入する
- 引数: insname=挿入するファイル名、page=現在のファイルでの挿入位置(ページ)、startp=挿入するファイルの挿入開始ページ)、endp=挿入するファイルの挿入終了ページ
 
- 返り値: なし
 
 
- 
rangeextract(startp, endp: integer) ページを抽出する
- 引数: startp=抽出開始ページ、endp=抽出終了ページ
 
- 返り値: なし
 
- 使用例:
 
mt.rangeextract(4,6);
 
- 
rangedelete(startp, endp: integer) ページを削除する
- 引数: startp=削除開始ページ、endp=削除終了ページ
 
- 返り値: なし
 
- 使用例:
 
mt.rangedelete(4,6);
 
- 
combine(filename: string) ファイルリストで指定した複数ファイルを結合する
- 引数: filename=結合後のファイル名(未指定ならリストの最初のファイル名)
 
- 返り値: なし
 
- 使用例:
 
mt.combine('c:\combined.tif');
 
- 
createpdf(filename: string) PDF変換する
- 引数: filename=保存ファイル名
 
- 返り値: なし
 
- 使用例:
 
mt.createpdf('c:\result.pdf');
 
- 
pagecount: integer ページ数を取得する
pg=mt.pagecount;
 
- 
addfile(filename: string) 結合リストにファイルを追加する
- 引数: filename=追加するファイル名
 
- 返り値: なし
 
- 使用例:
 
mt.addfile("c:\\buffer6_9.tif");
 
- 
quit Multiffを終了する
mt.quit();
 
- 
clearfile 結合リストをクリアする
mt.clearfile;
 
サンプルスクリプト
###  Sample1.dms   
// tifファイルの2~4ページ目と6~9ページ目を抽出し、両ファイルを結合する。  
mt = new Mtapp;  
mt.open("c:\\buffer.tif");  
mt.rangeextract(2, 4);  
mt.save("c:\\buffer2_4.tif", false);  
mt.open("c:\\buffer.tif");  
mt.rangeextract(6, 9);  
mt.save("c:\\buffer6_9.tif", false);  
mt.addfile("c:\\buffer6_9.tif");  
mt.addfile("c:\\buffer2_4.tif");  
mt.combine("c:\buffer6-92-4.tif");  
注意事項・謝辞
注意事項
- 本ソフトウェアの著作権は、SATOS601が所有します。
 
- 本ソフトウェアは、フリーウェアとします。
 
- 営利目的以外の転載、配布は自由ですが、配布内容の変更は行わないようにしてください。
 
- 本ソフトウェア使用による障害について著作者は一切責任を負いません。
 
- 本ソフトウェアは予告なしに仕様が変更されることがあります。
 
- 商品名、システム名などは各社の登録商標です。
 
謝辞
- 
本ソフトウェアには以下のコンポーネントを使用させていだきました。
- ImageEn 3.1.1 Imaging Components (Copyright(c) 1998-2010 by HiComponents. All rights reserved.)
 
- DMonkey (DMonkey project)
 
- Tsonedit (そんびん氏)
 
 
- 
TIF TAG解析には以下のサイトを参考にさせていだきました。
http://sadoyama.sakura.ne.jp/world/htm/note/002_09_tif.htm
 
更新履歴
- 
Ver.0.10 初版完成
 
- 
Ver.0.20 マクロ機能搭載、マニュアルの不備や様々なバグを修正
 
- 
Ver.0.23 多数ページの結合をできないバグを修正
 
- 
Ver.0.24 連続ページ回転するとエラーの出るバグを修正
 
- 
Ver.0.25 マクロでpagecountがページ数取得できないバグを修正
 
- 
Ver.0.26 CreatePDFマクロのバグを修正。コマンドライン引数からのマクロ起動による開始から終了まで完全自動実行をサポート。いくつかの表示オプション追加。
 
- 
Ver.0.261 ファイル名の桁数合わせ
 
- 
Ver.0.27 ドラッグ&ドロップによるファイルオープンをサポート。
 
- 
Ver.0.271 tif以外の拡張子のtifファイルもオープンするオプションを追加。
 
- 
Ver.0.28 combine関数で保存ファイル名に日付を自動付加しない仕様に変更。
 
- 
Ver.0.29 ライブラリ使用上の問題から機能制限を明示
 
- 
Ver.0.30 Tif以外のファイルの読み込みがおかしかったので修正。
 
- 
Ver.0.40 ファイル結合時のファイル名修正、フォルダー指定でのサブフォルダー読み込み指定。Freeimage.dllのバージョンアップ
 
- 
Ver.0.50 回転後、上書きのできない不具合を修正。マクロのclose();コマンドを修正。全頁分割の拡張子がつかない問題を修正。全頁の追加オプション追加。
 
- 
Ver.0.51 スキャンの縦横比が異なるノーマルやスーパーファインのFAXでも正しく表示できるよう変更。グレースケールの読み込みエラー修正。
 
- 
Ver.0.52 JPEG Original TiFF6.0spec圧縮形式のファイルを読み込まないよう修正。
 
- 
Ver.0.53 FreeImageのライブラリ更新。
 
- 
Ver.0.60 FreeimageからImageEnへのグラフィックライブラリ意向に伴い以下の仕様を変更。
- 分割(指定したページの前で全体を2分割を削除、分割時のファイル形式はTIFに限定)
 
- 抽出(偶数、奇数、現在頁を削除)
 
- 挿入(表示中ページの前、表示中ページの後、最初のページからを削除)
 
- 名前をつけて保存(GIF, AVI, ICO, DCXのファイル形式を選択可能に)
 
- マクロからExtractodd, rangerotate、dividetwo削除
 
- 白紙ページの削除、サムネールからのイメージ移動、削除追加
 
 
- 
Ver.0.61ファイル分割時のバグ修正。
 
- 
Ver.0.62 画像回転表示を復活。編集後の確認メッセージに関するバグ修正
 
- 
Ver.0.63 英語版対応
 
- 
Ver.0.64 オプションでTIF圧縮形式をCCITT 1D, Group 3/4 fax, LZW, ZIP, Packbitsから指定可能に変更
 
- 
Ver.0.65 2分割、エクスプローラーからのDrag&Drop対応
 
- 
Ver.0.66 コマンドラインから引数でマクロを呼んだ時のエラー修正
 
- 
Ver.0.67 スキャンイメージ処理関連のバグを修正
 
- 
Ver.0.68 JPEGへの分割をサポート